3.秋 文字盤:天然辰砂 くみひも:宇治の玉露染め
辰砂は古来「丹」と呼ばれ古墳の彩色や不老不死の薬としても扱われた鉱物です。旧石器時代から赤は神聖な色とされ、辰砂はその塊自体が御神体として崇められることもあったようです。弥生時代から産出されるようになり、いわゆる魏志倭人伝の邪馬台国にも「其山 丹有」と記されています。くみひもは宇治の玉露を使用して染め上げました。玉露の淡い緑を感じさせる上品な色合いです。濃い赤と淡い茶色の組み合わせは落栗色といい、源氏物語にも登場する秋の重ねの色目です。
2009年6月29日月曜日
2009年6月26日金曜日
夏きもの・ゆかた展 + はなもっこ
2009年6月24日水曜日
七宝紋その2 緑青/蓬染め
2.夏 文字盤:天然緑青 くみひも:蓬染め
岩絵具の代表的な色である緑青を採用しました。高松塚古墳壁画や源氏物語絵巻といった日本絵画を代表する作品にもふんだんに使われそれぞれの作品を強く印象付ける重要な要素となっています。原料となる孔雀石(マラカイト)は古来から魔除けの力があると信じられ装身具の装飾として使われてきました。くみひもは蓬染めです。蓬もその香気が邪気を払うものとされてきました。雛祭りなどに蓬餅を食べるのはその風習の名残です。生命力あふれる夏の木々の緑を涼しげに感じさせる組み合わせをお楽しみ下さい。
2009年6月22日月曜日
七宝紋 その1 珊瑚末/能登の山桜染め
1.春 文字盤:天然珊瑚末 くみひも:能登の山桜染め
古来から珊瑚は身に付けると魔よけになり、しかも対人関係の融和に効果がある宝石として珍重されてきました、その希少価値の高い天然の珊瑚を砕いた絵具を文字盤に使用しました。色は淡いピンクで桜をイメージさせます。組みひもにはまさしくその桜で染めたものをお付けしました。能登の桜は長い冬を乗り越えるため、色が濃く美しく絹糸を染め上げることができます。珊瑚と桜の柔らかく美しい色彩をおたのしみ下さい。
2009年6月19日金曜日
七宝紋(新商品です!)
久々に新商品が出来ました。文字盤に岩絵具で七宝紋を描きました。
使用している岩絵具やくみひもの染料は全て天然のものです。自然のものだけでこんなにも鮮やかな美しい色が出せるなんてすごいですよね。
まず文字盤全面に純銀箔を貼って、その上にごく薄の和紙を貼ることで和紙の隙間から銀がキラキラ見えてとても上品な輝きです。
日本画の伝統的な技法のひとつで、絵を描く絹の裏に金箔を貼って微妙に光り輝く画面を作る『裏箔』という技法がありますがそれを応用しました。
そしてその上に岩絵具で七宝紋を表しました。七宝とは仏教の用語で、金、銀、水晶、瑠璃(るり)、瑪瑙(めのう)、珊瑚(さんご)、しゃこの七つの宝のことだそうです。なぜこの文様が七宝紋と呼ばれるようになったのかはわかりませんが、円を重ねて作られたその文様は円満・吉祥を意味するおめでたい紋として古くは正倉院の宝物にも使われているものです。左の図は七宝つなぎという文様です。このわっかの一つを取り出したら七宝紋ですね。円が規則正しく並んで満ちている、円満とされる意味がよくわかるのではないでしょうか。
文字盤に使用するとちょうど12時、3時、6時、9時の位置に切れ込みがあたるので、時計としての機能性もちゃんとあります。全6色の展開です。それぞれの色にも意味をこめてデザインしましたのでそれはまた後日。
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