2009年6月29日月曜日

七宝紋 その3 天然辰砂/宇治の玉露染め

3.秋  文字盤:天然辰砂  くみひも:宇治の玉露染め
辰砂は古来「丹」と呼ばれ古墳の彩色や不老不死の薬としても扱われた鉱物です。旧石器時代から赤は神聖な色とされ、辰砂はその塊自体が御神体として崇められることもあったようです。弥生時代から産出されるようになり、いわゆる魏志倭人伝の邪馬台国にも「其山 丹有」と記されています。くみひもは宇治の玉露を使用して染め上げました。玉露の淡い緑を感じさせる上品な色合いです。濃い赤と淡い茶色の組み合わせは落栗色といい、源氏物語にも登場する秋の重ねの色目です。